春(3月)

春彼岸

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春のお彼岸は、春分の日を中日とした前後三日間の計一週間をいいます。「彼の岸」と書きますが、これは、私たちの住んでいる世界とは別の、あらゆる苦しみのない世界、つまり極楽浄土を指しています。経典には、極楽浄土は遥か西の彼方にあると示されています。 そして、夕陽が真西に沈む春分の日、秋分の日こそが極楽浄土への願いを確かなものにする日として最も適している、そのように説かれたことに基づいた行事がお彼岸なのです。
私たちは、極楽往生が叶うか不安に思ったり、亡くなった方への想いを忘れることもあるでしょう。そんな私たちにとってお彼岸とは、自身の極楽浄土への往生を願うこと、亡き人への真心を捧げることができる大切な機会です。
あなた自身の、そしてすべての人々の極楽往生を願い、また先立った方々へのご回向のため、ともにお念仏をとなえましょう。

夏(8月)

お盆

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お盆は昔から日本人の心に深く根づいた風習・行事です。その由来は「盂蘭盆(うらぼん)経」というお経によっています。それによりますと、お釈迦さまの十大弟子で「神通第一」といわれる目連さまが、ある日、亡くなった自分の母親のことを神通力を使って見ていると、なんと母親は餓鬼の世界に堕ちて、苦しみにあえいでいました。びっくりした目連さまは、お釈迦さまのところへとんで行き、どうしたらよいかを相談しました。するとお釈迦さまは、「雨季の修行を終えた僧たちが7月15日に集まって反省会を行うから、その人たちにごちそうをして、心から供養しなさい」とおっしゃりました。その通りにすると、目連さまの母親は餓鬼の苦しみから救われました。

お釈迦さまはさらに「同じように、7月15日にいろいろな飲食を盆にもって、仏や僧や大勢の人たちに供養すれば、その功徳によって、多くのご先祖が苦しみから救われ、今生きている人も幸福を得ることができよう」とお説きになりました。
日本では、この教えによって7月や8月の特定の期間に精霊棚などを設置して、供養を行う行事を盂蘭盆と呼びます。

秋(9月)

秋彼岸

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「彼岸」とは、こちら側の岸(現在私たちが生きている世界)に対する、向こう側の岸、つまり極楽浄土を意味します。
行事としての「お彼岸」は、春分と秋分の日を中日とする前後3日間の計1週間に行われます。法然上人が浄土宗を開く上で師と仰いだ中国の善導大師が「春分と秋分の日には太陽が真西に沈むので、日没の彼方にある極楽浄土を想い、敬慕の心をもつべきである」と説いているように、太陽の沈む方向に向かって、極楽浄土に往生したいと決意を新たにするのが「お彼岸」なのです。
また、この1週間は、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧という六波羅蜜の行を修め、日常の生活を反省することから、仏道と信仰の実践週間としても意味づけられています。
国民の祝日に関する法律に、秋分の日は「祖先をうやまい、亡くなった人々をしのぶ」日とされています。
ぜひ、お彼岸には、家族そろって先立たれたご先祖や人びとを偲び、感謝の気持ちをささげましょう。

秋(10月)

お十夜

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お十夜は、10月から11月にかけて全国の浄土宗寺院でひろく行われる 念仏会 (ねんぶつえ) です。「お十夜」「十夜法要」「十夜講」「十夜念仏」などともいいます。もともとは陰暦の10月5日の夜から15日の朝まで、10日10夜にわたる 法会 (ほうえ) でした。

この法会は、浄土宗で最も大切な経典(きょうてん)の一つ『 無量寿経 (むりょうじゅきょう) 』の巻下に、 「この世において十日十夜の間善行を行うことは、仏の国で千年間善行をすることよりも尊い」と説かれていることによって、その教えを実践したもので、10日10夜にわたり 不断 (ふだん) 念仏を称えて 別時 (べつじ) の念仏を修し、阿弥陀さまのお慈悲に感謝する法要であります。

お十夜は、お念仏の尊さを知り、感謝の気持ちを込めてこれをお 称 (とな) えする大切な法会です。今日ではその期間も10日間から5日、3日、あるいは1日と短縮されて行われていますが、この大切な念仏会に参加し、仏の国での千年の善行にも勝る善行を、ぜひ積んでいただきたいものです。

冬(1月)

正月 修正会

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正月の初め、社会の平和と人々の幸福を祈って、 法会(ほうえ)を修します。これを修正会といいます。無事新年を迎えられたことをご本尊さまに感謝し、この一年すこやかに過ごせるよう元日にはぜひお参りください。

新しい年の始めにあたり、天下泰平や人々の幸福を祈って行う法要をで修正会(しゅしょうえ)と言います。「修正」とは、正月に修する法会(ほうえ)の意味で、日本では平安時代以降から広く行われるようになっております。
無事新年を迎えられたことをご本尊さまに感謝し、この一年すこやかに過ごせるよう元日にはぜひお参りください。